犬の手作りごはん|量・カロリー

犬が手作りごはんを食べきれないときは?量を減らす前に確認したいこと

犬が手作りごはんを食べきれないときに量を減らす前に確認するポイントのアイキャッチ

犬が手作りごはんを食べきれないときは、すぐに「多すぎるから減らそう」と決めるのではなく、まず予定していた量と実際に食べた量、その量で取れているカロリーを確認します。必要な量を大きく減らすと、エネルギーだけでなく、そのレシピから摂る栄養素も一緒に減るためです。

食べきれない状態が続く場合は、1回量、食事回数、レシピのエネルギー密度、食材量、栄養バランス、体重変化を一緒に見直します。

この記事では、「必要量は分かっているけれど愛犬が食べきれない」というときに、何から確認し、どう調整していけばよいかを整理します。

まず「どのくらい食べきれていないか」を確認する

食べきれないときは、感覚ではなく、予定量と実際の摂取量の差を確認するところから始めます。

たとえば1回130gを予定していたのに、実際には80gほどしか食べていない場合、

130g予定
→
80g摂取

という差があります。

このとき重要なのは、

  • たまたま1回だけ残したのか
  • 毎回ほぼ同じ量を残すのか
  • 朝だけ食べにくいのか
  • 数日かけて食べる量が減ってきたのか

を分けて考えることです。

1回の食べ残しだけで食事量を変更するより、数日分の実際の摂取量を見た方が、その犬が無理なく食べられる量を把握しやすくなります。

食事量を毎日記録する方法は、「犬の食事量を毎日記録するメリットは?何を残しておけばいい?」で詳しく説明しています。

食べきれないからと1日のごはん量をそのまま減らさない

犬が手作りごはんを食べきれないときに実摂取量、必要カロリー、食事回数、食材量、栄養バランスを順に見直す図

予定量を減らすと、そのレシピから摂取するカロリーと栄養素も一緒に減ります。

たとえば1日260g食べる前提で、必要エネルギーと栄養バランスを確認したレシピがあるとします。

実際には1日160gしか食べられず、そのまま160gを新しい1日量にすると、摂取するエネルギーは大きく減ります。

さらに、たんぱく質、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなど、そのレシピから摂っていた栄養素も少なくなります。

犬の手作りごはんの摂取量が予定130gから80gに減るとカロリーや栄養素の摂取量も減ることを示す図

獣医療の専門情報をまとめたMerck Veterinary Manualでも、食事量をカロリー制限すると、その食事から摂るすべての栄養素の量も減ると説明されています。

そのため、食べない → ごはんを減らす → 終わりではなく、減らした後の1日全体をもう一度確認することが必要です。

1回量が多いなら食事回数を見直す

1日に必要な量は食べられなくても、一度に食べる量を減らせば食べやすくなる犬もいます。

たとえば1日240gを2回で120gずつでは食べきれない場合でも、3回で80gずつなら無理なく食べられる場合があります。

これは1日の必要量を変えずに、1回あたりの負担を減らす考え方です。

ただし、食事回数を増やせば必ず解決するわけではありません。実際の生活リズムや、愛犬が食べる時間、食欲の波なども見ながら調整します。

1回量の考え方は、「犬の手作りごはん、1回何グラム?食べられる量と必要カロリーの考え方」で詳しく説明しています。

食べられる量が少ないならレシピのエネルギー密度も確認する

少ない量しか食べられない場合は、その量の中にどのくらいのカロリーがあるかを確認します。

ここでいうエネルギー密度とは、100gなど一定量のごはんに、どのくらいのカロリーが含まれているかという考え方です。

水分量や調理後の重さからエネルギー密度を考える方法は、「完成後重量から1日のごはん量を計算する方法」で具体例を紹介しています。

同じ100gでも、レシピによってカロリーは同じではありません。脂質の少ない肉を中心にしたレシピ、野菜や水分が多いレシピ、油を含むレシピ、炭水化物源を多く含むレシピでは、100gあたりのエネルギーが変わります。

そのため、「食べられる量が少ない=必ず不足」とは限らず、食べられるグラム数とその量で取れるカロリーをセットで見ます。

ただし、カロリーを増やす目的だけで油などを増やすと、脂質や脂肪酸などほかの栄養バランスも変わります。エネルギー密度を調整した後は、レシピ全体をもう一度確認します。

食材量を変えるならレシピ全体を再評価する

食べやすくするために食材量を変えると、複数の栄養素が同時に変化します。

たとえば「肉を減らす」「ごはんを増やす」「油を少し加える」「野菜を減らす」といった変更をすると、カロリー、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、カルシウムとリンのバランス(Ca:P比)などが一緒に変化します。

そのため、食べやすい量へ調整するときも、量だけを見るのではなく、変更後のレシピ全体を見ることが重要です。

手作りごはんの栄養確認については、「犬の手作りごはんの栄養、足りてる?家庭で確認したいポイント」で詳しく説明しています。

「今日は食べなかった」だけで大きく変えず、数日の傾向を見る

食事量には日ごとの変動があるため、1回・1日だけで大きくレシピを変更しない方が判断しやすくなります。

たとえば、月曜ほぼ完食、火曜80%、水曜100%、木曜90%という程度なら、すぐに大幅な変更が必要とは限りません。

一方、80% → 70% → 60% → 50%のように食べる量が徐々に減っているなら、単純な「量の問題」だけではない可能性もあります。

世界小動物獣医師会(WSAVA)の栄養評価ガイドラインでは、家庭で食事摂取量・食欲、体重、体型、嘔吐や便の状態、活動性などを継続的に確認することが勧められています。

1日の食事量だけではなく、7日程度の流れや体重変化も合わせて見ると判断しやすくなります。

食べきれない理由が「量」ではないこともある

食べ残す理由は、単にごはんが多すぎる場合だけではありません。

たとえば、

  • 食事回数や時間帯が合っていない
  • 食感や温度が好みに合わない
  • 急にレシピを変更した
  • おやつやトッピングで満腹になっている
  • 体調が悪く食欲が落ちている

など、さまざまな要因があります。

そのため、「残したから次から半分」というように量だけで判断せず、いつから、どのくらい、どんな状態で食べなくなったかも確認します。

特に、おやつやごはん以外からカロリーを取っている場合は、主食だけを見ると実際の摂取量を誤って把握することがあります。

食欲低下や体重減少が続くときは食事調整だけで様子を見続けない

食べきれない状態が続き、体重や体調にも変化がある場合は、食事量の調整だけで解決しようとしないことが大切です。

たとえば、食欲低下が続く、体重が減っている、元気がない、嘔吐や下痢がある、食べ方が急に変わった、といった場合は健康上の問題が関係している可能性があります。

世界小動物獣医師会(WSAVA)でも、食事摂取量・食欲、体重、消化器症状、活動状態などを栄養評価のモニタリング項目として挙げています。

記録は受診時に「いつから、どの程度食べなくなったか」を伝える材料にもなります。

nanairoでは希望量に無理に合わせず、食べられる量に近い候補を探す

「犬の手作りごはん診断 nanairo」の「食べる量を調整」では、希望した1回量にレシピを強制的に合わせません。

たとえば「1回130gは残す」「100〜110gくらいなら食べられそう」という場合、希望する量の近くを10g単位で探索します。

候補ごとに、必要エネルギー、栄養バランス、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランス(PFC)、Ca:P比、過剰な栄養素などを確認しながら、食べられる量に近い調整候補を探します。

考え方は、

実際に食べられる量を確認
↓
1日に必要なエネルギーを確認
↓
1回量・食事回数を見直す
↓
食材量やエネルギー密度を調整
↓
変更後のレシピ全体を再評価

です。

希望したg数そのものを最優先するのではなく、その犬が食べやすく、必要なエネルギーや栄養を取りやすい形へ近づけることを目的にします。

調整した後は実際に食べた量と体重を記録する

レシピを調整した後は、その変更が合っていたかを実際の記録で確認します。

たとえば、130g予定 → 80gしか食べなかった → 1回量・食事回数・レシピを調整 → 100gを安定して食べられるようになった、という変化があれば、調整前後を比較できます。

さらに、1日の総摂取カロリー、おやつなどごはん以外のカロリー、体重、7日・30日の食事量も合わせて確認すると、その量が愛犬に合っているかを振り返りやすくなります。

nanairoの「今日の記録」「今日のまとめ」「最近のようす」では、こうした実際の食事量と体重の変化を記録できます。

まとめ|食べきれないときは「減らす」より先に全体を確認する

犬が手作りごはんを食べきれないときは、単純に予定量を減らすだけではなく、

予定量と実際の摂取量を確認
↓
必要エネルギーを確認
↓
1回量や食事回数を見直す
↓
必要なら食材量・エネルギー密度を調整
↓
栄養バランスを再評価
↓
食べた量と体重の変化を記録

という順番で考えると整理しやすくなります。

食べられる量に合わせることは大切ですが、その結果として必要カロリーや栄養素まで不足していないかを一緒に確認します。

また、食欲低下が続く、体重が減る、元気がないなどの変化がある場合は、食事量だけの問題と決めつけず獣医師などの専門家へ相談してください。

よくある質問

1回量を減らして食事回数を増やしてもいいですか?

愛犬が少量ずつの方が食べやすい場合は、1日量を複数回へ分ける方法があります。1日の総摂取量や生活リズムを確認しながら調整します。

食べる量が少ないときは油を足せばいいですか?

油を加えると少ない重量でカロリーを増やせますが、脂質や脂肪酸などレシピ全体の栄養バランスも変わります。カロリーだけを見て追加せず、変更後のレシピ全体を再評価します。

何日食べなかったら病院へ行くべきですか?

犬の年齢、健康状態、食べている量、ほかの症状によって緊急性は異なるため、「○日なら大丈夫」と一律には言えません。食欲低下が続く、ほとんど食べない、体重減少、嘔吐・下痢、元気がないなどがある場合は、早めに獣医師へ相談してください。

※本記事は健康な犬の手作りごはんの量を考えるための一般的な情報です。食欲低下、体重減少、嘔吐・下痢、元気がないなど健康状態に変化がある場合は、食事量の調整だけで様子を見続けず、獣医師などの専門家に相談してください。